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渋野日向子のスイング改造は失敗?目的と結果を年代別に検証

アイアンとゴルフボール、スイング軌道を表したイラスト

こんにちは、女子プロゴルファー通信のNatsukiです。

渋野日向子選手のスイング改造は、本当に失敗だったのでしょうか。改造に取り組んだ2021年には、秋に国内ツアーで2勝しています。一方、2023年には思い描いた球筋を出せず、苦しんだ時期もありました。

では、何を良くしようとしてスイングを変え、どこで難しさを感じたのか。まずは、本人が2021年に挙げていた「左へのミスを減らしたい」という目的から見ていきます。

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渋野日向子のスイング改造は失敗?まず経緯を確認

2021年春の目的、秋の2勝、2023年の変更を並べた時系列図

一度の改造を、その後ずっと続けていたという経緯ではありません。本人の説明と大会の記録を年月順に並べると、次のようになります。

時期 取り組み・出来事 見ておきたい点
2021年3月 トップの手の位置を低くする意識を説明 左へのミスを減らし、再現性を高める目的
2021年10月 スタンレーレディスと樋口久子 三菱電機レディスで優勝 同年秋に2勝。本人は残るミスにも言及
2023年 縦の動きを目指す変更と、狙った球筋とのずれを取材で説明 2021年とは変更の方向を分けて読む
2024年 全米女子オープンで2位 後年にもメジャーで優勝争いをした事実

この流れから言えるのは、成果を出した時期も、狙いと実際の球が合わず苦しんだ時期もあるということです。特定の改造がその後の全成績を決めた、とまでは読み取れません。

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2021年は左へのミスを減らすための変更

2021年3月4日のJLPGAの大会記事で、渋野選手はトップの位置を意識していると説明しています。手が右肩より高くならないようにすることで、左へのミスを減らし、再現性の高いショットを目指していました。

トップとは、バックスイングでクラブを上げ切った付近のことです。低いトップという見た目だけが注目されがちですが、本人の説明は「どんなミスを減らしたいか」からつながっています。

私は、ここの順序が気になります。新しい形そのものを目標にするのではなく、左へのミスという困りごとが先にある。そう聞くと、以前との写真比較だけでは見えてこなかった、変更の狙いが分かりますよね。

また、この発言は当時取り組んでいた意識の説明です。映像の一場面で手の位置が違って見えても、すぐに方針を撤回したと読み替えるより、本人がその大会で何を確かめていたかを合わせて読むと理解しやすくなります。

改造に取り組んだ年の秋に国内2勝

2021年10月10日のスタンレーレディスでは、通算10アンダーで並んだ4人のプレーオフを制しました。これはJLPGAツアー通算5勝目。JLPGAの優勝記事には、勝負どころのショットと本人の振り返りも残っています。

さらに10月31日の樋口久子 三菱電機レディスでも優勝し、その年の2勝目、JLPGA通算6勝目を挙げています。改造に取り組み始めた2021年のうちに、実際に勝った大会が二つあります。

ここは「改造後は勝利がなかった」という理解を修正する材料です。ただ、優勝という結果だけで、変えたすべての動作が正解だったと評価するのも飛躍があります。本人はこの好成績の時期にも、うまくいった部分と残る課題を分けていました。

2023年は縦の動きと球筋に課題

2023年11月13日のGDOの現地取材では、その年の改造は縦の動きを目指し、トップが下がらないことを意識していたと説明されています。2021年の「手の位置を低くする」という話とは、変更の方向が異なります。

同記事で本人が振り返ったのは、目指すドローと実際の球筋が合わない難しさでした。右打ちのドローは緩やかに左へ、フェードは緩やかに右へ曲がる球です。どちらが一律に優れているかではなく、自分が狙った球を出せるかが、この場面の問題になっています。

取材では、左手親指の痛みでショット練習を避けた時期や、その後に痛みの出ない動きを探した経緯も報じられています。ドローが出るようになっても、飛距離や高さまで求めるのは難しかったという、2023年当時の状況です。

この年については、狙いどおりに進まなかった面をきちんと残す必要があります。2021年の勝利だけで、その後の悩みまで小さく扱うことはできません。逆に、2023年の苦戦を、2021年からの一つの改造がずっと失敗し続けた証拠とするのも、経緯に合いません。

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渋野日向子のスイング改造を失敗だけで語れない理由

大会結果と本人の評価、ショットの中身を比較する図

では、勝ったか負けたか以外に何を見るとよいのでしょうか。手がかりになるのは、本人が減ったと感じたミス、まだ残っていた課題、そして実際にスコアをつくった場面です。

勝っても本人が完成としなかった点

2021年10月20日のJLPGAの記事では、渋野選手は5試合連続でトップ10に入った時期にも、調子がピークという感触ではないと話しています。以前よりミスは減ったとしながら、優勝した大会でのシャンクやダフリ、前週の3パットを挙げていました。

シャンクはボールがクラブのネック付近に当たるミス、ダフリはボールの手前の地面を打つミスです。本人は好順位だけを見るのではなく、実際に起きたこうした内容を評価に入れていたわけです。

この振り返り方は好きです。勝てたことは成果として受け止めても、まだ減らしたいミスを具体的に挙げている。「調子がいい」で話を終えないところに、次に何を確かめるのかが見えます。

私たちが改造の成否を考えるときも、順位と技術の自己評価を別々に置くと、話が整理されます。大会成績は出せた結果。本人の説明は、その結果の中でどこに手応えや課題を感じていたか。片方だけでは、同じ大会でも見えるものが変わります。

優勝を支えた短い距離と勝負の一打

2021年の2勝を、もう少しショットの中身から見ると面白いです。スタンレーレディスの通常ラウンド18番では、残り95ヤードを52度のウェッジで1メートルにつけてバーディー。プレーオフ2ホール目も、108ヤードを46度で1.5メートルにつけています。

本人はこの大会で、4本のウェッジを練習してきたことと、距離の精度について話しています。低いトップに目を奪われていると、こうした短い距離の仕事は見落としやすいところです。

一方、樋口久子 三菱電機レディスのプレーオフでは、220ヤードの第2打を3Wで3メートルにつけ、イーグルで決着しました。本人は、少し左ならバンカーだったという紙一重の結果も振り返っています。

95ヤードを寄せる精度と、220ヤード先を攻める一打。同じ月の勝利でも、見どころはずいぶん違います。私はこの二つを並べると、渋野選手を「安定性を求める人」という一面だけでは捉えきれないところに惹かれます。

形を変えたからこの球が打てた、と因果関係までは確かめられません。それでも、改造の途中でどんなショットを試合に持ち込み、勝負を動かしたのかは、具体的な記録として読むことができます。

後年の上位成績と改造の効果を分ける

後年のメジャー上位成績と改造を読む観点を分けた図

AIG女子オープンの公式プロフィールには、2022年の同大会3位と、2024年全米女子オープン2位も記されています。改造に取り組んだ後年にも、メジャーの上位で戦った実績があります。

この結果は、「以前の形を変えてから上位へ行く力がなくなった」という見方とは合いません。ただし、2024年の2位を、2021年に取り組んだ動きがそのまま実を結んだ証拠として使うこともできません。その間に、本人の意識や課題が変わっているからです。

改造について読むときは、次の三つを同じ時期でそろえると見通しがよくなります。

  • 目的:左へのミスを減らす、狙った球筋を出すなど、何を改善したかったのか。
  • 本人の評価:何が変わり、何がまだ難しいと説明しているのか。
  • 大会での結果:順位だけでなく、どんなショットやミスがあったのか。

三つがそろえば、「失敗」「成功」という見出しから一歩進んで、その時点の成果と課題を読むことができます。2026年の成績や直近の不調について知りたい方は、別記事の渋野日向子の不調の原因と本人発言で、過去の改造とは時期を分けて確認できます。

スイングの変化についてよくある質問

2021年はコーチを離れ、完全に一人で改造したのですか?

2021年3月のJLPGA記事では、その年はコーチをつけずに自分で考えて取り組む方針を説明しています。同時に周囲の選手へ助言も求めていました。専任コーチをつけないことと、誰の助言も受けないことは別です。

飛距離が落ちたのはスイング改造のせいですか?

2021年10月のJLPGA記事で、本人は当時の飛距離低下をドライバー約10ヤード、アイアン約5ヤードと説明しました。原因には連戦や寒さも挙げています。これは本人が感じた当時の変化であり、改造の影響だけを測定した比較値ではありません。

以前のスイングに戻せば解決するのでしょうか?

元に戻した場合と変え続けた場合を、同じ条件で比べた資料はありません。2021年には左へのミス、2023年には狙った球筋とのずれが説明されており、その時点で解決したい課題も異なります。昔の映像に似せることと、当時抱えていた課題を解くことは分けて考えたいところです。

アマチュアもトップを低くすればよいですか?

渋野選手の説明は、ご自身の左へのミスと再現性に向けた取り組みです。その手の位置を全員の目標にする説明ではありません。参考にするなら、まず自分が減らしたいミスをはっきりさせ、動きを変える目的と対応させる考え方がよい手がかりになります。

渋野日向子のスイング改造は失敗か、目的と結果で考える

渋野日向子選手のスイング改造には、2021年の国内2勝という成果と、2023年に狙った球筋を出せず苦しんだ課題の両方があります。しかも、低いトップを意識した段階と、縦の動きを目指した段階は、同じ変更ではありません。

振り返るときは、いつ、何を変え、本人がどう評価していたかをそろえる。そのうえで、ウェッジで寄せた一打や3Wで勝負を決めた一打まで見ると、単純な成否よりも、渋野選手が試合の中で何を形にしてきたかが伝わってきます。

 

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